麻布あたりのマックで
シルクハットのお兄さんが来て
にこにこの明るい笑顔で並んでいた
数年後
その人の 泣き顔を見た
幼い娘が
事故で亡くなってしまったと
でも まだ妹がいる
それを忘れてしまったように
私も
まだキャラウェイがいるのに
ちびねこの死を嘆いた
今 キャラウェイを喪って
それを悔いている
励まそうと思って作った歌だった
いつか 自分の歌に励まされるとは
思ってもみなかった
麻布あたりのマックで
シルクハットのお兄さんが来て
にこにこの明るい笑顔で並んでいた
数年後
その人の 泣き顔を見た
幼い娘が
事故で亡くなってしまったと
でも まだ妹がいる
それを忘れてしまったように
私も
まだキャラウェイがいるのに
ちびねこの死を嘆いた
今 キャラウェイを喪って
それを悔いている
励まそうと思って作った歌だった
いつか 自分の歌に励まされるとは
思ってもみなかった
熱はあまり下がらないまま
でも 心は安らか
猫は天国に預けて
かみさまに面倒を見てもらっているから
貴重な時間を無駄にしないように
今日はピアノも弾いて
バイクも漕いで
本も読んで
英語も少し
北北西を向いて
恵方巻きも食べた
昨日のお葬式で
キャラウェイの身体は
ボロボロだった
おなかだけでなく
胸まで 黒い癌が
かなり 蝕んでいた
腹水も
猫の入れ物のように
たぷたぷしていた
頑張ってくれたね
苦しかったね
でも もう 今は
どこも痛くない
雲の上を走り回っている
安心して
私はすべきことに
集中しよう
これからリング
キャラウェイが怖がって
逃げたから
暫くできなかったけれど
もう安心
That would help me get fitter.
もっと健康になる
今日のデザートは蜜柑と苺
もう蜜柑を食べるタイミングは自由
苺も美味しい
13:10
キャラウェイは星になった
綺麗な瞳で
じっと見ていた
肉球の冷たい両手を握ったら
さいごに左手だけ
90度になるほどぎゅっと握り返した
左を上にして横になっていたから
最期の言葉は
『10数えるからね』
今まで どういう意味だろうと思っていたけれど
自分でカウントダウンして逝ってしまってから
はじめてわかった
思いやりの猶予の言葉だと
さっき 空耳が聴こえた気がして
急いでにゃんルームをつけたら
まだしゃべっていた
20:13
『愛する人、聞こえてる?』
『恋をしているの!』
『調子はどうよ?!』
聞こえてるよ
よかったわね
元気よ
つけてよかった
楽しい気分になれた
猫はなんて強いのだろう
お手本としたい
いつか小説にキャラウェイを書こう
詩のような小説なら書ける
詩小説
聞いてる?
キャラウェイ
またいつか
なんとか、生きてる
クリアクターを使っても
動脈血栓塞栓症を完全に溶かすことは
まずできない
そう言って 今日も往診の獣医の先生が驚いていたと
そのくらい奇跡の猫なんだから
大抵は 退院もできず
今日明日の命だと
獣医さん全員に言われた
15歳のキャラウェイ
運良く退院できても
1年ももたないと
でももう3年以上たった
だからキャラウェイは今回も
何としても長生きする
肺に転移は していたって
このまま 元気なまま
免疫力を上げて 長らえてみせる
酸素室は明日設置して頂くことになった
息苦しさは もう大丈夫
『機嫌が良くないの!』
×2
大変だ